衣替えは季語?季節は?

衣替えは季語?季節は?

衣替えは季語?季節は?

日本の伝統的な文化である俳句。

以前は年配の方の趣味のイメージでしたが、

最近ではバラエティ番組などで特集も組まれており、老若男女問わず

趣味として楽しむようになってきましたね。

 

俳句は、五・七・五の十七音で表現する詩であり、

季語という季節を感じる言葉を含ませて表現をします。

言葉選びが難しくも楽しくもある俳句ですが、

使いたい言葉が適した季節に使えているのか気になりますよね。

衣替えは季語?

衣替えは季語?季節は?

特定の季節を連想させる、「季語」

例えば、紅葉と聞くと秋の夏や春ではなく、秋の美しい景色を連想しますよね。

春や夏の俳句で紅葉と使うと俳句のマナーとしてはNGな表現になります。

 

今回のテーマである「衣替え」は季節を連想させる言葉で

季語として使うことが出来ます。

俳句で用いる場合は「更衣」と書いて「ころもがへ」とよみます。

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衣替えは季語?季節は?

衣替えは季語?季節は?

「衣替え」というと日常においては春や秋などに行うのが一般的なので、

春や秋の季語として使うと思いがちですよね。

ところが、

俳句の世界では「夏の季語」として使われます。

 

もともと「更衣」は平安時代の宮中で旧暦の四月一日に始まったものが、

江戸時代に一般に広がったものだそうです。

それが明治時代の改暦により、新暦(太陽暦)に切り替わってからは

六月一日に行われる事が多くなり

「初夏や夏」を連想する季語として使われるようになりました。

日本の風習として春に行う習慣が残っていますが、

俳句の世界では夏の季語なので間違いやすいのかもしれませんね。

 

使用される例としては、夏の生活を表したり、

初夏に分類される季語として使用されます。

実際に俳句に用いる時期としては5月の季語としても使われるようです。

ちなみに、秋の衣替えの様子を俳句に使う場合は

「後の更衣」(のちのころもがえ)と表現します。

使い方としては冬の生活を表す季語や、初冬、11月の季語として使われます。

日常会話では使う事のない言葉の表現の仕方は

俳句ならではの趣きを感じますよね。

その他に「更衣」に関連する季語としては

夏服、夏衣(なつごろも)、袷(あわせ・裏地を付けて仕立てた着物)

甚平、浴衣などがあります。

最後に「更衣」を使った有名な俳句をいくつかご紹介したいと思います。

「一つ脱いで 後に負ひぬ 衣がへ」
松尾芭蕉

俳諧師として江戸から東北、北陸、岐阜の大垣まで

俳句を詠みながら旅をした松尾芭蕉の俳句です。

 

旅人の身である自分は、衣替えの日を迎えても着替えの夏衣を持っていない。

重ね着の一枚を脱いで背中に背負い、さて、これで衣替えが済んだとしよう。

という内容だそうです。

今でいうところのバックパッカーのようですよね(^^)

旅人にとって衣替えは無縁なようにも感じますが、

旅の道中でも衣替えの風習を意識していたのか、

季節の変わり目を肌に感じられるような作品ですね。

「長持へ 春ぞ暮れ行く 更衣」 
井原西鶴

小説家や文化人のイメージの強い井原西鶴ですが

15歳から俳諧師を目指し全国を放浪していたようです。

わずか21歳の若さで俳諧の点者と呼ばれる俳句の先生にもなっています。

 

「長持」とは、今でいうところの衣装ケースの事です。

春に着ていた着物などを長持に仕舞いながら

去っていく春を惜しんでいる様子を表した俳句。

衣替えをしながら季節の変わり目を名残惜しむ様子は

現代も変わらない光景でもありますよね。

もしかすると西鶴は春に良い思い出が沢山あったのかもしれませんね(^^)

「越後屋に 衣さく音や 更衣」 
其角

江戸前中期の俳人で、榎本其角または宝井其角と呼ばれています。

15歳の頃から松尾芭蕉に俳諧を学んでいたそうです。

 

昔は何枚も衣服を持っていたわけではなかったので、

夏になると、冬の綿入りの衣服から綿を抜いて縫い直し

夏服として使っていたそうです。

四月一日と書いて「わたぬき」と読むのはその名残りのようです。

当時は衣を裂く音が夏を告げる風物詩だったのかもしれませんね。

「衣更て 座って見ても ひとりかな」
小林一茶

江戸時代の更衣は民間のしきたりでもあったようで、

旧暦の4月1日に世間は一斉に冬物から夏物に着替えていました。

小林一茶も同じように、衣替えを終えて落ち着き座る。

しかし、独り身の自分にはそんなことを話す相手もおらず、

夏物を見てくれる身近な人もいない。といった様子を詠んだ俳句です。

衣替えの季節を感じる夏の俳句だからなのか、

孤独で寂しい様子ではなく、どこか爽やかでユーモアのある俳句にも感じられます。

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衣替えは季語?季節は?のまとめ

衣替えは季語?季節は?

・衣替えは夏の季語であり、俳句では「更衣(ころもがへ)」と詠まれる。

・季節としては5月の初夏から使われる事が多い。

・秋の衣替えは「後の更衣(のちのころもがえ)」と表現する。

 

俳句にとって季語は、読む人に季節や情景を感じさせる役割があり

短い文章だからこそ使用する時期や季節感がとても大事になってきますね。

詠む人によって意味や捉え方も違ってきたりするので、

難しいようでとても自由度の高い伝統文化だと思います。

 

俳句を詠むことで、日常会話では使われない言葉にふれ

日本の四季を身近に感じられる素敵な文化です。

文章を書く機会が減りつつある現代だからこそ、

俳句を始めてみるのも良いもしれませんね。

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