エンバーミングをご存知でしょうか?
エンバーミングは遺体を保存処置することであり、
日本よりは海外で一般的となっています。
祖国に遺体を返す際にはエンバーミングが行われます。
しかし実際どのような手続きや費用がかかるかはよくわかりませんよね。
ここではエンバーミングした遺体を海外搬送する際の手続きや費用について解説をしていきます。
エンバーミングとは一体どういうことをするの?
まずはエンバーミングとはどういうものかについて詳しく解説をしていきたいと思います。
エンバーミングは上記の通り、遺体の保存処置を行うことです。
エンバーミングの歴史は古く始まりは17世紀の南北戦争と言われています。
南北戦争では多くの戦死者を出しましたが、遺体の埋葬が間に合わず、
兵士の間で感染症が流行するなど問題となっていました。
そのため、遺体の腐食を防ぐために遺体の血液を防腐剤と入れ替え、
常温でも保存ができる処置技術が向上しました。
エンバーミングはそれ以外でも土葬が一般的である海外において、
遺体の保存期間を長くしたり、生前の姿に近く修復をすることで、
遺族のメンタルケアという側面も持っています。
日本の場合は火葬が一般的であるのと、遺体に手を加えるということへの抵抗感からか、
エンバーミングはそこまで広まってはいません。
しかし、近年の価値観の多様化や災害時の遺族のメンタルケアの側面からも、
エンバーミングが注目をされています。
ただそうは言っても日本でエンバーミングができる施設はまだ少ないです。
エンバーミングを行う施設では徹底した衛生管理が義務付けられており、
日本でもまだ33箇所ほどしかありません。
またエンバーミングを行う人をエンバーマーと言いますが、
エンバーマーの不足もエンバーミングが広がらない一因となっています。
エンバーマーになるには専門学校で学んだ後に、
日本遺体衛星保全協会(IFSA)が定める試験に合格をしなければなりません。
エンバーマーは国家資格ではありませんが、
現場として働く際には結局この資格を取らないと仕事にはならないので、
エンバーマーになるためには専門学校を出るのが一番早いでしょう。
今後、エンバーミングが広まっていくと、このエンバーマーの資格も国家資格になると思います。
エンバーマーの仕事は過酷です。
昼夜問わず遺体のエンバーミング処置をしなければならないだけでなく、
様々な遺体と対峙しなければならないため肉体的にも精神的にもタフさが要求されます。
年収としても大手の葬儀会社に属してだいたい400万円ほどであり、
それ以下の場合も十分に考えられます。
ただ遺族のメンタルケアを含めて大変やりがいのある仕事とも言えます。
もしエンバーミングやエンバーマーに興味がありましたらしっかり調べてみてくださいね。
エンバーミングした遺体を海外に搬送できるの?その時の手続きや費用はどうやるの?
さてそんなエンバーミングですが、日本では馴染みはありませんが海外では一般的です。
ですので、日本在住の外国人が亡くなった場合など、
エンバーミングの希望が多そうですよね。
結論から言えば、海外に遺体を搬送する際はエンバーミングをされることが多いです。
というより、エンバーミングをしなければなりません。
ではその理由について解説をしていきます。
一般的に遺体の安置の際には冷却のためにドライアイスなどが使われます。
しかし飛行機の中ではドライアイスが使えず、
長時間の移動でも遺体の腐食を避けるために必ずエンバーミングをしなければなりません。
これは遺体が日本から出国する際も、外国から日本に入国する際も同様です。
その手続きとしては、葬儀会社ではなく遺体搬送会社で行われることが多いです。
大まかな手続きの流れとしては、当事者の死後、運搬会社に連絡をして、遺体安置所へ移動。
そして大使館への母国への送還認定書類の作成、
航空貨物としての手配などを行う必要があります。
遺体は航空の場合は貨物として扱われるのですね。
そして、エンバーミングが行われ、遺体の保存処置や修復が行われます。
その後空港に遺体が搬入をされて、母国へと出国していきます。
これらの手続きはとてもじゃないですが、1人では行うことは困難でしょう。
遺体運搬会社の場合は手筈やノウハウもしっかりしており、
24時間365日営業をしている会社も多いです。
そちらに相談しながら行うようにしましょう。
費用としては
・エンバーミング料金
・書類作成費
・航空貨物運送費
・柩代金、梱包料
・手数料
などが諸々とかかり、合計は100万円ほどになります。
もともとエンバーミングの料金が高いのと、
運送料などがかかるとやはりこれぐらいはかかってしまいますね。
もしもの時の場合のために、しっかり覚えておきましょう。
エンバーミングした遺体を海外搬送する手続きと費用のまとめ
エンバーミングをした際の遺体の海外搬送をする手続きや費用については
おわかりいただけたでしょうか?
エンバーミングは日本では馴染みが低いですが、
海外では一般的な処置となっています。
そして今後、日本でも広く浸透してくことが予想されます。
また国際化に当たって、エンバーミングをした遺体を海外搬送することも
多くなるかもしれません。
万が一の時に慌てないように、どうすればいいかだけでも覚えておいてくださいね!
こちらも読まれています↓↓
⇒⇒エンバーミングのメリット・デメリット 遺体の保存方法